周防灘南西部における貧酸素水塊形成と気象変動の関係
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概要
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成層期に周防灘南西部海域で進行する下層での貧酸素化には経年変動がみられ,平均的にみれば,数年に一度の頻度で溶存酸素濃度が3mg/l以下の顕著な貧酸素水塊が形成される.ここでは,1991年から1994年の夏季に行った観測の結果とその間の気象観測資科から,当海域での貧酸素水塊形成に及ぼす気象変動の影響について検討を行った.その結果,夏季における降水量は当浅海域での貧酸素水塊形成に大きく関与しており,夏季における多量の降雨は,成層の発達という貧酸素水塊形成のための物理的条件を強化するとともに,多量の栄養塩を当浅海域に供給し,富栄養化の進行,ひいては有機物量の増大をもたらし,下層での酸素消費速度の増加という,生物・化学的条件をも強化することが分かった.これらの条件を強化する降水量の目安として,夏季(6〜8月)の積算降水量が600mm以上であることがしきい値となると推定された.
- 日本海洋学会の論文
- 1996-02-29
著者
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