葉がなければパンを食べる? : オオタバコガ幼虫の奇妙な食性
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概要
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オオタバコガの幼虫が大阪市の家屋内でパンを摂食しているところを見出された.この幼虫は偶然に人家,食料品店,あるいはパン製造所のいずれかに侵入し,パンを見つけて摂食にいたったものと考えられる.この幼虫はそのままパンを食餌にして飼育したが,蛹化せずに死亡した.本報告は大蛾類が加工穀物食品を加害した稀な報告例であり,本種のパン食の記録としては2例目である.本種は葉以外に花や果実などを好んで摂食する習性があり,鱗翅目幼虫を捕食することも知られている.本種において稀にパン食が見出されるのは,多食性とタンパク質を多く含む食物を選好する習性が原因なのかもしれない.
- 2010-07-30
著者
-
高倉 耕一
大阪市立環境科学研究所
-
山崎 一夫
Osaka City Institute of Public Health and Environmental Sciences
-
高倉 耕一
Osaka City Institute of Public Health and Environmental Sciences
-
今井 長兵衛
Osaka City Institute of Public Health and Environmental Sciences
-
今井 長兵衛
千里金蘭大学生活科学部食物栄養学科
-
今井 長兵衛
Osaka City Institute Of Public Health And Environmental Sciences:(present Office)senri Kinran Univer
-
高倉 耕一
京都大学大学院農学研究科昆虫生態学
-
高倉 耕一
大阪市立環境科学研究所:(現)独立行政法人科学技術振興機構
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