フィリピン,スラウェシからのDiehlea属の3新種
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概要
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標題の属Diehleaは,つい先年Kobes(1997)によって大属Careaがいくつかに分割されたおり記載されたもので,模式種にはボルネオから書かれたtumida Hampson,1905が指定された.このD.tumidaは,ボルネオのほか,マレイ半島,スマトラ,ジャワなどスンダランドに広く分布し,スラウェシにも産するとされているが(Barlow,1982),私の手元にはフィリピンおよびスラウェシ産の未記載種が3種あるので,いずれも新種として記載した.また,ニコバル諸島から記載されたCarea nicobarensis Warren,1916は,その外観からDiehleaに属することが間違いないので,そのように所属を変更した.大英博物館に所蔵されるnicobarensisのsyntypeの♂は腹部が失われ,交尾器を見ることはできないが,他の4種のうち,tumidaとsulawesiensis sp.n.は♂交尾器valvaの腹縁に骨化した小隆起をもち,フィリピンの2種(ミンダナオ島のneotumida sp.n.とネグロス島のphilippinics sp.n.)はそのような構造を持たない,また,tumidaとsulawesiensis sp.n.は♂交尾器vesicaのcornutiの数が異なるので区別できるが,フィリピンの2種は交尾器では互いにほとんど区別できない.翅形,斑紋等,外観がかなり異なるので別種としたが,その地位については,フィリピンの他の島の材料も含めて再検討しなければならないと思われる.
- 1999-03-30
著者
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