翻訳プロセスの中でsollenの意味を捉える
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ドイツ語の話法の助動詞と対応する日本語表現とを比較するために、翻訳学における等価関係の基準を用いる。ヴェルナー・コラーが分類した5つの等価関係を引用して考察を加えた後、実際にsollenを含むドイツ語文の日本語への翻訳プロセスを追いながら、原文のどの意味を保存するために、訳文にどのような工夫が見られるかを観察する。目的は、〈sollenは日本語に訳しにくい〉という主観的な感覚を客観的に説明できる方法を探すことである。sollenは、主語以外の人の意志や法律・社会規範からの要求を暗に含意することが多く、そのニュアンスを日本語訳に保存するために、助動詞以外のさまざまな複合形式の表現が翻訳に使われる。特に内包的等価、語用論的等価、叙述か呼びかけかの言語機能的区別などが日本語表現に影響を与えた。まだ課題は多いが、翻訳における意味の等価関係の基準を軸に二言語間の差異を観察することの意義を述べる。
著者
関連論文
- 翻訳プロセスの中でsollenの意味を捉える
- 日本語のモダリティにおける意志表現
- 翻訳における意味の等価関係の記述について
- 認知意味論と外国語教育の接点を求めて
- 日独モダリティの意味論的対照研究をするための共通基盤を求めて : 1995年版と2006年版Dudenのsollenの意味記述を比較する
- 話法の助動詞"mogen" の意味と訳語分析
- 話法の助動詞"wollen"の意味と訳語分析
- 話法の助動詞"durfen"の意味と訳語分析
- 話法の助動詞 ;konnen;の意味と訳語分析
- 話法の助動詞 "sollen"の意味と訳語分析
- sollen, zullen, shallの意味論的比較研究