プラズマ容射の粒子飛翔状態とスプレーパターンの測定

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溶射は高速で幅広い溶射材料を基材に20μm〜数mmの厚さで被覆でき、低コストで新しい機能を付加した部品が製作できることで注目されているコーティング技術である。しかし、溶射時のパラメータと目的に応じた被膜形成の関係は複雑であり、特に品質に影響を与える施工パラメータの変化による溶射現象の解明は重要な研究課題である。本報では、目的に応じた溶射被膜を形成する溶射条件を決定するための基礎データとして、大気プラズマ溶射で溶射材にステンレス鋼SUS316L(粉末)を用い、電流値600A、溶射距離150mmとし、溶射材供給量を16.7g/minでプラズマジェット上方より供給し、プラズマガスにAr(50l /min)のみの場合、Ar(50 l /min)+H2 (5 l /min)の混合ガスとした場合のプラズマジェット内の溶射材の粒子温度及び粒子飛翔速度、並びに被膜形成特性の基礎となるスプレーパターンを測定した。混合ガスAr+9.1%H2の場合、純Arに比してプラズマジェットの長さは増大して発光強度は3.9倍となり、プラズマジェット内の粒子の温度は37%高く、速度は14%増加する。また、電圧値は72%高くなることが分かった。スプレーパターンの測定結果では、形成される被膜の中心位置(被膜厚さ最大位置)は、いずれのプラズマガスの場合もガンの中心位置から左斜め下に変位する。被膜の厚さはArのみの場合の1.3mmに対し、混合ガスの場合は2.4mmと増加するが、変位量及び被膜形成領域は混合ガスの場合が小さいことが分かった。

プラズマ容射の粒子飛翔状態とスプレーパターンの測定

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