がん化学療法を受けている子どもの食事ケアに関する実態調査
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概要
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本研究は,がん化学療法を受けている子どもの食事ケアに関する実態を明らかにし,看護の示唆を得ることを目的とし,小児の血液悪性腫瘍の治療を実施している病棟看護師に質問紙調査法を実施した.配布数190部,回収数100部であり,回収率は52.6%であった.結果,制吐剤の予防的投与だけでは嘔気・嘔吐の症状コントロールが十分ではなく,症状マネージメントを確実に行うことが重要であると考えられる.また,看護師が行う具体的な食事ケアとしては,『食べやすいものを勧める』『嘔気・嘔吐の症状があるときは無理に勧めない』『タイミング見ながら勧める』『においで誘発される嘔気・嘔吐を予防する』『自宅で使っている食器に変える』『楽しく食べられる雰囲気作り』などが挙げられたが,食事に関する看護介入についての困難感を持っていることが明らかになった.行った看護介入の効果について評価し,効果的な方法について情報交換していく必要があると考えられる.さらに,経口摂取が困難な場合の対処として,家族への「持ち込み食」の依頼と医師や栄養士への相談を主な方法としていた.「持ち込み食」によって,食事摂取量の増加が期待できる反面,成長期の子どもの栄養の偏りが懸念され,栄養面への配慮について考える必要がある.
- 新潟県立看護大学の論文
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