運動の記録と「水時計」
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概要
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昨年本誌において,「教材としての手作り時計」という表題で研究報告を行ない,教具としての「水時計」の製作法およびその教育的価値について報告した.この報告で述べた「水時計」を利用すれば,「物体の運物」について,興味深く価値の高い実験指導を,手軽に安価に実施することができる.現在一般に行なわれている速度加速度の指導は,必ずしも生徒にとって適切ではないのではないか.その証拠には,戦後教育の歴史も既に40年を経たが,力学指導の初歩的段階においてかなりの生徒が落ちこぽれ,ここから中高校生の物理嫌いが始まるという事実は一向に解消されてはいない.これは教師が「時間の認識」の発達についての法則を正しく理解せず,その認識の発達の法則を踏まえての指導が行なわれていないため,初歩の段階において早やすでに,指導の効果があまり上がっていないからと思われる,科学技術の高度に発達した今日の時代に,今さら「水時計」でもあるまいと考える方もあるだろうが,理科教育の目標がどこにあるかを思うとき,「水時計」を用いる指導法は教育上かなり有益な方法であると信ずるものである.
- 日本物理教育学会の論文
- 1987-03-10
著者
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