教材としての「手作り時計」
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概要
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時間の理解が子どもにとって困難であるのは,線型量である時間をそれぞれの周期運動をする時針や分針で測り,しかも60進法であるといった困難点のためだけでない.人類の一つの飛躍の時代の象徴的な発明物「時計」を,発達段階の未熟な子どもに消化しにくい精巧な完成品の形で提示するからである.そこで,極めて単純な,いわば時計の「原型」を作って子どもに示せば,時計の原理やつくりについての理解を深め,時計の文字盤を読みやすくするというだけでなく,時計が発明された「文明の黎明期」を子どもに追体験させることになり,子どもの知的発達を促進する効果も期待できる.人間の時間認識の過程が人間理性の発達の歴史であり,文明の進歩の歴史であるからである.従って,手作り時計開発の内容は,高校生や大学生の物理指導におていも,興味深い話題となると考えるものである.
- 日本物理教育学会の論文
- 1985-09-15
著者
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