子どもの「死別体験」「死後観」「死のイメージ」 : 慢性疾患患児と健康児への面接調査による比較検討
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概要
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幼児期から思春期にある慢性疾患患児と健康児の「死別体験」「死後観」「死のイメージ」について両者の違いおよび年代の違いを明らかにすることを目的に、3〜15歳の慢性疾患患児79名および健康児89名に対して面接調査を実施した。結果は以下のようであった。1. 「人との死別体験」は慢性疾患患児よりも健康児に多かった。2. 7歳・13歳・14歳の慢性疾患患児3名が、死別した人の続柄として同病者をあげた。3. 14歳・14歳の健康児3名が、祖父母との死別体験から自分の生きる意味や生き方を考えるきっかけとしていた。4. 3歳10ヶ月女児(神経芽細胞腫、罹病期間9ヶ月)が「死のイメージ」の質問に「このまま死ぬのかなあ」と死の不安を表現した。慢性疾患患児も健康児も、重要他者との死別体験が生と死を考えるきっかけとして重要な意味を持っており、率直な会話ができる環境が大切であると考える。
- 日本小児看護学会の論文
- 2001-12-10
著者
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