マスタ・スレーブ型マルチプロセッサにおける動的可変優先度バス制御方式とその評価(集積エレクトロニクス)

概要

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本論文ではマスタ・スレーブ型マルチプロセッサにおける新しい制御方式を提案する.本研究でのマスタ・スレーブ型マルチプロセッサは,各プロセッサが共有バスで接続された構成をとっており,バスアービタがプロセッサ間のバスアクセス権を調停する役割を果たしている.ラウンドロビン方式や静的固定優先度方式によるバス調停では,各プロセッサの処理量に違いがある場合やプロセッサ間で依存関係がある処理に向いておらず,高いパフォーマンスを発揮することができない.そこで,システムの中枢をなす共有バスを統合するバスアービタに動的可変優先度方式を導入し,システムの高性能化を図った.本バスアービタにより,マスタ・スレーブ型マルテプロセッサによる処理に柔軟性が増し,32ビットRISCコアを用いてのHMM(Hidden Markov Model)においてゆう度を計算するプログラムの論理シミュレーションにおいては,条件を変えてラウンドロビン方式・静的固定優先度方式と比較を行った結果,処理時間を最大でそれぞれ76%・75%に軽減できることを確認した.
2009-05-01