高齢者の入浴後の皮膚油分・水分の回復プロセスと皮膚乾燥傾向に関する研究
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概要
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老人性乾燥皮膚のケアに関する知見を得る目的で,74 〜 98 歳(平均81.25 歳±4.2)の男性7 名,女性26 名(合計33 名)の高齢者を対象に,皮膚油分量と皮膚水分量を入浴直後から経時的に測定し,回復過程を観察し評価した.並行して皮膚PH も測定評価した.測定部位は上腕内側,後頚部の2 か所とした.上腕内側・後頚部とも入浴前後通じて皮膚油分量,皮膚水分量の平均値は「乾燥」の値を示し,入浴前の値に回復するには3 時間以上の時間を要し.皮膚PH は入浴前後の変化は殆どなかった.また,後頚部の入浴後3 時間の皮膚油分量は入浴前より有意に低く(p < .001),皮膚水分量も入浴前より有意に低かった(p < .001).上腕内側の入浴前と入浴後3 時間の皮膚油分量と皮膚水分量を比較したが有意差はなかった.したがって,高齢者は入浴後3 時間以上皮膚の乾燥状態が継続し,特に後頚部において入浴前後の乾燥傾向の差が大きいことが明らかとなり,皮膚油分量と皮膚の乾燥の関連性が高いことが示唆された. これらのことから入浴直後の時間を置かない保湿ケアの重要性が明らかとなった.
- 2009-07-01
著者
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