晩期潜伏梅毒のペニシリン療法成績
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
梅毒病像の極めて顕著な変貌,特に脊髄磨と進行麻痺,血管系の変化,遺伝梅毒の急速なる衰退は確実にペニシリン療法の結果である。これらの危険な末期状態を避けることは砒素剤療法に比し遙に容易となり,梅毒の予後は曾てなき改善を示した。一方早期梅毒の急激な衰退は適確なる治療がその伝染力を消滅せしめたためであり,この事は又早期梅毒の速かな完全治癒を立証するに外ならない。他方晩期梅毒,特に晩期潜伏梅毒に於ては凡ゆる場含にペニシリン療法の有効性が確実に立証されるに至つていない。何故ならば梅毒のこのような症期に於ける血清反応は極めて稀にしか陰性化されないと一般に信ぜられるからである。カルヂオライピン抗原の登場は血清反応の分野に新しい進展を齎らしたが,又それによつて晩期梅毒の治療評価に対しても万全が期待されんとしている。即ち,その新なる方向とは血清抗体の定量的追及が可能となつたことであり,晩期梅毒の治癒に合理的な決定がなされんとすることである。余等は受刑者晩期梅毒130例を選び,劃一なペニシリン療法と定期的な血清検査を反復し約3年間に亘り之を追究し,晩期梅毒の血清反応の本態に就いて之を論じた。なお,本文は本年8月にStockholm開催される第11回国際皮膚科学会,梅毒疫学に関するSymposiumの報告草稿として英文を以つて記載した。
- 千葉大学の論文
著者
-
竹内 勝
千葉大学医学部皮膚科教室
-
平林 一郎
千葉大学医学部
-
松尾 雷太
千葉大学医学部皮膚泌尿器科
-
平林 一郎
千葉大学
-
松尾 雷太
千葉大学医学部皮膚泌尿器科教室
-
竹内 勝
千葉大学医学部皮ふ科教室
関連論文
- 第5回セロトニン研究会討議録並に研究報告
- 皮膚色素異常沈着症とビタミンCについて : (I)メラニン生成とビタミンCの関係
- 20. 皮膚とビタミンB_1及びB_2(第33回千葉医学会総会講演要旨)
- 6. サルバルサン紅皮症(第26回皮膚泌尿器科集談会,第321回千葉医学会例会連合会)
- 慢性蕁麻疹ならびに2, 3の皮内反応に対するペリアクチンの効果について(第4回セロトニン研究会議事録並に研究報告)
- 1. 皮膚疾患に於けるセロトニン代謝 2. 皮膚反応に及ぼすペリアクチンの影響(第3回セロトニン研究会議事録並に研究報告)
- 皮ふ色素異常沈着症とビタミンCについて : (II)ビタミンC大量投与後の尿中ビタミンC代謝産物, とくに修酸生成について
- Thiamine propyldisulfideの吸収および排泄について : (VII)Thiamine propyldisulfideおよびビタミンB_1の腸管吸収のオートラジオグラム
- 私の領域から
- Cyclocarbothiamineの研究 : (II)Cyclocarbothiamineの吸収機構および生体内分布について
- 44. 外用コルチコステロイドの作用その組織化学的検討 (I)
- 3.貼布試験の成績(第2回パッチテスト研究会)
- 8.皮ふ科領域におけるビタミンB_2の問題(ビタミン, ことにビタミンB_2治療の問題点)
- 皮ふ科領域におけるビタミンB_2の研究 : (IV)正常皮ふへの放射性ビタミンB_2のとりこみおよび皮ふ内でのFlavin adenine dinucleotideおよびFlavin mononucleotideの生成
- ビタミンB_2らく酸エステルの研究 : (I)ビタミンB_2らく酸エステルの吸収および排泄について
- S-Carbalkoxythiamineの臨床 : (III)S-Dicarbethoxythiamineの経皮吸収
- 54.ビタミンB_1誘導体とくにCarbalkoxythiamineの経皮吸収について(第16回大会研究発表要旨)
- S-Carbalkoxythiamineの臨床 : (II)S-Carbalkoxythiamineの皮ふ科領域における連続投与実験と血中ピルビン酸値の変動
- 34.皮ふ疾患のDicarbethoxythiamine投与による影響, 連続投与中のピルビン酸およびビタミンB_1血中濃度の消長(第15回日本ビタミン学会大会研究発表要旨)
- 皮膚科領域におけるリポ酸の臨床とその皮膚代謝におよぼす影響について : (IV)健康人および湿疹患者のリポ酸-^S静注後の^Sの尿中排泄について
- 4. ヒノキチオールの実験的研究と臨牀治験(第26回皮膚泌尿器科集談会,第321回千葉医学会例会連合会)
- 10. 化粧品皮膚炎の研究(第26回皮膚泌尿器科集談会,第321回千葉医学会例会連合会)
- 3. オーレオマイシン過敏症例(第26回皮膚泌尿器科集談会,第321回千葉医学会例会連合会)
- 16) 千葉刑務所に於けるペニシリン駆梅成績(千葉医学会第30回総会,昭和28年度千葉県医師会医学会連合大会)
- 5. 晩期潜伏梅毒定量反応(第26回皮膚泌尿器科集談会,第321回千葉医学会例会連合会)
- 関東地方に於ける梅毒の疫学的研究
- Thiamine propyldisulfide-^Sの吸収および排泄について : (I)TPD-^Sの測定法
- Thiamine propyldisulfide同族体の研究 : (IX)Tetrahydrofurfurylsulfideの代謝
- Thiamine propyldisulfide同族体の研究 : (VIII)Thiamine tetrahydrofurfuryldisulfide-^Sの吸収および尿中排泄
- 放射性リポ酸静注後の尿中排泄放射性物質について : (I)健康人尿中排泄
- Thiamine propyldisulfide-^Sの吸収および排泄について : (V)TPD-^S(inner)の吸収と排泄
- Thiamine propyldisulfide-^Sの吸収および排泄について : (IV)TPDの血球移行
- Thiamine propyldisulfide-^Sの吸収および排泄について : (III)Propylsulfide-^Sの代謝
- Thiamine propyldisulfide-^Sの吸収および排泄について : (II)TPDの吸収機序-TPD-^S(outer)の結紮腸管よりの吸収実験
- 42.S^-TPDの体内分布ならびに腸管吸収について(第14回日本ビタミン学会大会研究発表要旨)
- 放射性リポ酸静注後の尿中排泄物質について : (II)主要代謝物のフェノール抽出による分離
- 皮膚疾患のO-Benzoylthiamine disulfide治験
- Cyclocarbothiamineの臨床 : (I)Cyclocarbothiamineの吸収と排泄
- 12. 皮膚病発生の要因に関する我教室の業績二,三(第31回千葉医学会,昭和29年度千葉県医師会医学会連合大会演説要旨)
- Carbalkoxythiamineの研究 : (IV)放射性Dicarbethoxythiamineの吸収
- 6. 膀胱異物(ヒューズ)の1例(第27回皮膚泌尿器科集談会,第323回千葉医学会例会連合会)
- 9. 1.ストマイに因る残腎尿毒症の1例 2.ペニシリンアレルギーの激烈なる1症例(第27回皮膚泌尿器科集談会,第323回千葉医学会例会連合会)
- 各種皮膚疾患におけるビタミンB_1代謝の研究 : (VIII)湿疹, 皮膚炎とビタミンB_1との関係
- 2. リンパ浮腫の一例(第412回千葉医学会例会 第9回千葉皮膚科臨床談話会)
- O-Benzoylthiamine disulfideの研究 : (III)放射性O-Benzoylthiamine disulfideの吸収機構
- 皮膚に於ける糖ビタミンB_1,B_2代謝の研究
- S-Carbalkoxythiamineの臨床 : (I)S-Carbalkoxythiamineの吸収と排泄
- 2.CAT類の吸収(VI.人体における実験ならびに臨床応用)(S-Carbalkoxythiamineにかんする小委員会報告)
- 43.Carbalkoxythiamine類の吸収について(第14回日本ビタミン学会大会研究発表要旨)
- 6.肝疾患における^S標識リポ酸静注後の尿中^S物質(第16回大会研究発表要旨)
- 緒方定量法を中心とする潜伏梅毒のペニシリン治療遠隔成績
- 本邦の梅毒
- 晩期潜伏梅毒のペニシリン療法成績
- 放射性ビタミンB_1,Thiamine propyldisulfideの尿中排泄について