青年期におけるきょうだい関係と友人関係(心理学)
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概要
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本研究は,年上・年下,性および年齢段階が,きょうだい関係と友人関係に及ぼす効果について検討した.参加者は,日本の公立中学校の生徒247名(男122名,女125名),公立高校の生徒136名(男87名,女49名)および大学生14名(男3名,女11名)であり,三人きょうだいのいる人を対象に質問紙調査を実施した.年上・年下,性,年齢差(3歳未満と3歳以上),年齢段階の多変量分散分析の結果,年上・年下,性,年齢段階の主効果が有意となった.年上のきょうだいは,自己にとって関与度の高い教科で,年下のきょうだいよりも自己を優位に知覚していた.年齢段階が上がるほど,関与度の高い教科で自己をきょうだいや友人より高く評定し,きょうだい関係もより肯定的であった.他方,友達づきあいのよさは,年齢段階が上の回答者の方が,友人を自己よりも高く評定していた.これらの結果は,きょうだい関係と友人関係との間に 自己評価維持の視点から密接な関連があることを示唆している.
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