小・中学生の二人きょうだい関係に関する研究(教育心理学)
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概要
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本研究は,小・中学生のきょうだい関係,特に,小・中学生が,きょうだい関係をどのように認知しているか,またきょうだい関係において自己評価維持の傾向が見られるかどうかを検討した.参加者は,公立小学校の児童228名(男109名,女119名),および公立中学校の生徒188名(男101名,女87名)であった.参加者は二人きょうだいを対象とし,これらの参加者に対して質問紙調査が実施された.その結果,全体として,小・中学生は,きょうだい関係をポジティブに捉えていた.自己評価維持の傾向は,見られなかった.小学生の第一子は,自己にとって高関与・低関与いずれの項目でも,自らをよりポジティブに評定していた.また,これと対応するように,小学生の第二子は,自己にとって高関与・低関与いずれの項目でも,自己をよりネガティブに評定していた.こうした,いわゆる長幼の序的傾向は,中学生では見られなかった.男女差について見ると,女子の方が男子より,きょうだい関係をよりポジティブに捉えていた.また,きょうだい間の年齢差も,きょうだい関係に影響していた.
著者
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