大学生の進路決定と現在指向
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概要
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本研究は,大学生の時間的指向性と進路決定に関する自己効力感の関係を検討するものである。時間的展望研究においては,将来の進路を実際に決定し,具体的な目標を持っていることが望ましいと考えられてきたが,本研究では,将来の具体的な目標よりも,現在を重視する現在指向が時間的展望において最も重要であるという視点にたち,進路決定に関する自己効力感と時間的展望尺度の関係を調べた。研究1では,大学1〜2年生を対象にした。研究2では,大学4年生で実際に進路が決定しているかどうかと時間的展望の関係を検討した。その結果,未来指向は効力感と有意な相関があったが,充実感とは相関がなかった。一方,現在指向は充実感,自己効力感の両者と有意な正の相関があった。さらに4年生で進路が確定していない学生は,ネガティブな過去指向得点が高かったことから,進路を確定するためには,過去の受容や現在の充実が重要な役割を果たすことが示された。
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