地中海産の海草葉上性巻貝ヘソアキシタダミにおけるサイズによる活動パターンの違い
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概要
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地中海産の藻食性巻貝ヘソアキシタダミGibbula umbilicarisについて,海草葉上での日周期活動と生息場所選好性のサイズによる違いを,室内実験によって調べた。実験に用いた巻貝は, 1995年の12月にイタリアのナポリ湾のイスキア島沿岸の水深3mから採集し,大・中・小の3つのサイズグループに分け,室内の小型水槽に個別に飼育した。各水槽には,2種類の異なった葉上性微小藻類群集をもつ海草の葉片を入れ,巻貝の行動を4種類(休息,足縁の触角の揺動,直線的移動,殼の揺動を伴う摂食移動)に分類して記録した。大型の巻貝は夜間の活動が活発で昼間は不活発という明瞭な日周期的活動パターンを示した。一方,小型の巻貝では昼夜の活動の差が少なくなり,日周期パターンが不明瞭となった。しかし一日単位で見ると,4種類の行動の相対的な頻度はサイズに関わらず同様であった。小型の巻貝は2種類の海草葉片をほぼ同様の頻度で利用した。大型の巻貝は,海草の先端部にあたる葉上性微小藻類群集が発達した葉片の上で摂食移動を行う傾向があった。ウニの1種Paracentrotus lividusの存在下では,小型の巻貝の活動が活発化した。
- 2007-02-28
著者
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高田 宜武
独立行政法人水産総合研究センター日本海区水産研究所
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高田 宜武
Laboratory of Benthos Ecology, Stazione Zoologica Anton Dohrn
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高田 宜武
水産総合研究センター日本海区水産研究所
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ルッソ G.
Department Of Environmental Science University Of Napoli 'parthenope'
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