イシダタミガイにおけるサイズ組成と加入の季節変化および垂直変化

概要

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九州天草の転石潮間帯において, イシダタミガイ(Monodonta labio)のサイズ組成と加入数の季節変化を潮位毎に調べた。調査は, 1987年10月から1988年10月までの2ヵ月毎と1989年の2月および6月に行った。潮間帯に11の潮位をとり, 最高位を潮位1, 最低位を潮位11とした。各潮位毎にコドラート法による定量採集を行ってサイズヒストグラムを作成した。サイズ組成は潮位によって異なり, 季節的に変動した。殻幅5mm未満の幼貝は, 年間を通じて潮位5から7の中潮帯に分布した。殻幅5mmから13mmの貝は主に潮位1から4の高潮帯に分布し, 殻幅13mm以上の大型貝は主に潮位8から11の低潮帯に分布した。そのため, 高潮帯と低潮帯のサイズ分布は, それぞれ10mm付近と12mmから14mm付近にモードをもつ単峰型を示した。一方, 中潮帯では, 幼貝と大型貝によって形成される二峰型のサイズ分布を示すことが多かった。幼貝の加入は年間を通じて観察されるものの, 10月から6月までが多かった。幼貝の垂直分布の中心は, 加入期間の前期は潮位6付近に存在していたが, 加入期間の後期には下降し潮位7を中心とするようになった。このようなサイズ組成と加入の季節変化・潮位間の違いを導く要因について考察した。
日本貝類学会の論文
1996-06-30

イシダタミガイにおけるサイズ組成と加入の季節変化および垂直変化

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