京都開帳記録(二) : 『日次紀事』・『在京日記』等における
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概要
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『女子大國文』第百四十号(平成十九年一月)に「『妙法院日次記』による開帳記録」を発表した。近世期京都における開帳実態を把握し、文化史・宗教史・博物館史を考える資料を得ようとする為のものである。しかし、京都における開帳は、上記一点ではとても把握しきれない。そこで、本稿では黒川道祐の記す式日開帳を中心に、本居宣長『在京日記』等の開帳記録を開示する。折柄、川端咲子・正木ゆみ両氏の「『開帳おどけ 仮手本忠臣蔵』考-忍頂寺文庫本を出発点として-」(『忍頂寺文庫・小野文庫の研究』共同研究グループ・国文学研究資料館編『忍頂寺文庫・小野文庫の研究2』所載、二〇〇七年三月)が発表され、臨川書店『優品在庫目録』(平成十九年春季特別号)に「山口素絢所 稲荷山開帳図 寛政八年画 二軸」が載った。前者は開帳と演劇との結びつきを如実に示し、後者は開帳が庶人遊楽の場であったことを示している。開帳の文化史的意儀の一端がここにある。
著者
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