託宣和歌を考える : 祗園神託宣和歌を例にして
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概要
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神仏が人々に生きる術をはじめ意志を告げる託宣は、文である場合と和歌である場合とがある。この託宣和歌には様々な問題が内在し、一筋縄にはいかない。そもそも託宣和歌の射程は独り和歌史上だけの問題ではない。本稿でもふれた天照皇太神神詠「阿弥陀仏と唱ふる人のむなしくは」歌が徳川秀忠筆『三社託宣』に記されていることはすでにふれた(拙稿「三社託宣と和歌」、『女子大國文』一二六号、平成十一年十二月)。故に教訓書は勿論、信仰掛軸の問題へも及ぶこととなる。本稿では、祗園神の託宣和歌に限定して、託宣和歌に関する問題点の種々相を考えようとした。「八雲たつ」歌を中心に神詠と託宣和歌の境目を、「長きよの」歌を中心に異伝・異文関係にあるとされる託宣和歌の扱い方を、「わがやどに」歌を中心に託宣の結果を確認する必要性を、述べた。
- 京都女子大学・京都女子大学短期大学部の論文
- 2005-06-30
著者
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