ソンディ・テストを用いた職業未決定の性格要因に関する研究(2) : 職業未決定群内における特徴
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概要
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本研究はソンディ・テスト結果のうち,±反応・O反応と衝動範躊,とりわけ危険範躊に注目して職業未決定群内の特徴を検討した。±反応・O反応の結果からは,職業を決められない状態にあるものの,職業を決定しなければならない現実との間で葛藤状態にあるという特徴が判明した。その一方で,職業未決定者を第三者から見た場合,どのような職業に就きたいのか具体的・現実的ビジョンを思い描く力が十分に備わっておらず,職業決定に向けての準備段階に至っていない状態にあることがわかった。この結果は,アイデンティティの未確立との関連性が見受けられた。危険範躊の結果から,就職することは学生という身分ではなくなるということであり,そこからくる不安が背景にあることが判明した。また,職業を決定するという現実的な問題を見つめることなく,自分の世界や空想の世界に留まりたいという欲求があることも見出された。本研究の結果から,職業未決定者に対して職業を決定するという現実にいかに目を向けさせていくのか,という課題が浮き彫りとなった。
- 川村学園女子大学の論文
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