臨床心理学実習が学生に及ぼした成長要因
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概要
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現代社会は臨床心理士に大きな期待を寄せている。多くの大学でも臨床心理学関連の大学院や学部・学科を増設・新設し,カリキュラムに臨床心理実習等の必修科目が置かれ,学生は各臨床現場に一定期間送り出されている。この現状について,伊藤・村瀬・塚崎・片岡・奥村・佐保・吉野ら(2001)は,「心理臨床実習の現状と課題-学外臨床実習に関する現状調査」として調査研究を行っている。調査結果からは実習生に対し「社会常識や社会人としての基本姿勢の滋養」を各機関が求めていること等,我々大学教育に携わる者が昨今感じている点も挙げられている。しかしこの調査では実習生が実習から何を感じ,何を得たか,実習生自身がどんなことを反省点と感じたかについては触れられていない。筆者は本務校の心理学科と大学院で臨床心理学領域の講義と実習を担当している。本研究では,筆者の心理学科教員としての立場から担当する学科実習科目「病院・施設等実習」(以下,実習とする)における学生の実習についての発表資料をもとに,学生が実習を通じて何を得て,何を感じたか,その成長要因を考察し4つに分類した(知識的成長要因・社会的成長要因・臨床感性的成長要因・心理的成長要因)。本研究から学生は実習を契機に様々な成長を遂げたと言えるが,それも各実習先,各臨床現場の方々の尽力があってこそであり,今後も大学と現場の連携により実習には様々な工夫が必要と言える。
- 川村学園女子大学の論文
- 2004-03-15
著者
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