ソンディ・テストを用いた職業未決定の性格要因に関する研究 : アイデンティティとの関連で
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究ではソンディ・テスト結果から,職業未決定者のパーソナリティ特徴をアイデンティティとの関連を踏まえた上で検討した。職業未決定の中でも,積極的に行動せず回避状態であることとアイデンティティの未確立との関係が明らかとなった。ソンディ・テストの数量的係数値において,職業決定そのものに対する不安および十分な情報,自身の興味・適性が不明瞭である場合,社会性指数低はかった。量緊張ファクターの結果からは,孤独を好み積極性を欠く一方で理解者を求めていることが見出された。また,職業を決定できない責任を周囲に転嫁し自己中心的であることが認められた。ベクター反応からは,職業未決定群における際立った特徴として自我の喪失(Sch00)が明らかとなり,アイデンティティの未確立との関係性がうかがえた。そして,現状からの変化を求めてはいるが自己の世界に閉じこもっていることから,現状を変化させることができず抑うつ的であることが判明した。さらに自己中心性,自己顕示欲求の存在,感情表現のコントロールが不得手であり,幼若で未熟な人格像であることがわかった。今後の研究課題として,対象者の拡大および統制をした上での検討が必要である。
- 2007-03-15
著者
関連論文
- ソンディ・テストを用いた職業未決定の性格要因に関する研究 : アイデンティティとの関連で
- ソンディ・テストを用いた職業未決定の性格要因に関する研究(2) : 職業未決定群内における特徴
- ソンディ・テストを用いたタイプA行動特性および抑うつ感情についての研究^1
- ソンディ・テスト研究1(I)
- 臨床心理学実習が学生に及ぼした成長要因
- 心理面接におけるソンディ・テストの活用-(4) : 心理診断から心理治療へ
- ソンディ・テストによる境界例の事例研究
- 心理面接におけるソンディ・テストの活用-(3) : 生活分析的カウンセリング法(LAC法)とソンディ・テストの融合,自己に対する過剰な要求に気づき「過食・嘔吐」が緩和された女子学生の事例
- 深層心理学者Lipot (Leopold) Szondiの生涯と業績(1893-1986) : Schicksalspsychologieのハンガリーにおける萌芽,そしてスイスにおける発展まで
- 心理面接におけるソンディ・テストの活用-(2) : 「憂うつ感と過食傾向」を訴えて学生相談室に来室した***の事例
- 心理面接におけるソンディ・テストの活用 (1) : 2つの事例研究を中心として
- 実験衝動診断法(Szondi-Test)による大学生の衝動構造に関する研究
- 友人選択に見られる同類交配の衝動要因に関する事例研究
- Leopold Szondiによる運命分析