心理面接におけるソンディ・テストの活用-(4) : 心理診断から心理治療へ
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概要
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人格投影法であるソンディ・テスト(Szondi-Test)はその原法の10回繰り返し法によりクライエントの心の動きを力動的に把握する点が特徴である。しかし各臨床領域によっては原法の10回繰り返し法が行なえない場合もあろう。その場合でも本テストは, たとえ1回法であろうと3回法であろうとクライエントの心理を動くものとして把握し, 心理面接の展開に活用することが可能である。 そこで本論文では心理臨床におけるソンディ・テストの意義と活用法について既に検討された事例から得た知見をもとに, (1)ソンディ・テストの独自性と特徴について, (2)人格の二元論)的把握(前景人格像と背景人格像の理解)について, (3)ソンディ・テストの面接前後施行法-心理治療効果の測定から心理治療そのものへの発展について, (4)ソンディ・テストの結果のフィードバックからクライエントの深層心理の変化を促す-クライエントの洞察への援助としての活用法について, (5)クライエントの臨床像・現状とソンディ・テストの結果の関係について, (6)心理臨床における治療者とクライエントの心的距離ー直線的遠近法がもたらした功罪について, (7)心理面接におけるクライエントと治療家の共同性業としてのソンディ・テストについて, 全体的な検討・考察を行った。
- 川村学園女子大学の論文
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