小売フォーマット概念の再検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
まず本稿は,フォーマット概念に関して,先行研究における定義や用法,アプローチを整理した。先行研究は,フォーマットを差別化と市場細分化のコンテクストでとらえてきた。また分析に用いられるアプローチは,消費者行動と企業行動に焦点を当てたアプローチとに二分されてきた。次に本稿は,食品専門量販店を取り上げ,先行研究におけるフォーマット概念の定義にもとづいて事例を考察した。最後に本稿は,事例の考察を通じて,フォーマット概念を用いた先行研究に内在する問題点を明らかにした。 本稿は,先行研究のフォーマット概念について,2つの問題点を明らかにした。第1の問題点とは,同一の事例について考察したとしても,採りうるアプローチによって,フォーマットが多義的に解釈される可能性である。第2の問題点とは,時間軸においてフォーマットを定義し,小売企業の行動を分析することにともなう限界である。
- 2009-03-12
著者
関連論文
- ノンフロン冷蔵庫の日本市場導入におけるNPO・政府・企業間の戦略的協働の事例分析
- 中小企業の製品開発活動と地域ネットワーク -諏訪・岡谷地域と東大阪地域の事例研究-
- 地域企業のイノベーション戦略 : ネットワーク活用による新製品開発(経営学の新世紀: 経営学100年の回顧と展望)
- 小売企業における規模優位機会の実現能力 -単一事例にもとづく考察-
- チェーンストアにおけるサプライチェーンの動態 -投機型から延期型への移行と障壁-
- 業績管理システムの設計と利用の関係に関する実証研究
- 成果報酬制度の導入が及ぼす組織成果への影響 : ある照明機器メーカー営業部門における事例研究
- 業績評価システムのチェンジ研究 : 知見と課題
- 業績評価制度の変化に関する実態調査
- 産業集積における技術イノベーションの実現過程 -鯖江眼鏡枠産地のフィールド調査を通した予備的考察-
- 小売フォーマット概念の再検討
- 小売フォーマット開発の分析枠組
- 国際人道支援分野における戦略的協働の事例分析 -人道目的の地雷除去支援の会(JAHDS)とジャパン・プラットホーム(JPF) -
- 北海道の中小企業における情報化の現状・課題・展望 : 北海道大学ビジネスネットワーク研究会調査を中心に ( 北海道の現況と問題点)
- 小売業における品揃え規模の優位性
- 企業者ネットワークに関する経験的研究の現状と展望
- 非財務的業績指標に関する実証研究の展開--C. D. IttnerとD. F. Larckerの研究を中心として
- 研究開発協力行動に関する経験的研究の現状と展望
- インターラクティブ・コントロール研究に関するレビュー・アーティクル
- 創造的中小企業における共同開発行動の規定因 : 九州地域の創造法認定企業サンプルデータを用いた予備的分析
- 中小企業におけるMCS研究の展望
- 地域企業の境界マネジメント : 境界デザインの規定因に関する実証研究
- 低成長経済における小売商業構造の分析 : 人口分布と小売店舗分布の関係に焦点をあてて
- マーケティング行為からみた小売業による需要創造--明治期呉服店の経営行為を考察対象として
- 小売業態開発のマネジメント : 店舗組織と多店舗組織におけるトレードオフ
- 小売購買行動研究に関する展望と課題 - 「買い手視角」での小売購買行動研究に向けて -
- 商品購買における「情報システムの逆機能」--リスク回避的バイヤーにみる合理性とその弊害
- 小売購買行動研究に関する展望--「買い手視角」での小売購買行動研究に向けて
- 企業間異質性を基点とした業態革新 : 主体的行動をベースとした理論の構築に向けて(戸島熈名誉教授記念号)
- マーケティング行動からみた小売業による需要創造--明治期百貨店の経営行動を考察対象として