戦略的協働とは何か
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概要
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前稿(小島廣光(2006),「協働の窓モデル」『経済学研究』(北海道大学)55(4),pp.11-30)において,戦略的協働を解明するための理論的枠組として,「協働の窓モデル」(第1次モデル)を提示した。この第1次モデルにもとづいて,9つの戦略的協働の事例研究を試みた。分析の結果,第1次モデルは一定の有効性を持つと同時に,種々の課題も有していることが明らかになった。 そこで本稿では,第1次モデルの提示に際しては必ずしも十分でなかった,(1)戦略的協働の定義,(2)戦略的協働の生成と存在理由の解明,および(3)先行研究の検討を試みた。その上で,第1次モデルを大幅に改定した「協働の窓モデル」(第2次モデル)を提示するとともに,「協働の窓モデル」にもとづく分析方法を説明した。 本稿における以上の検討により,第1次モデルの次の2点を含む4点を改定することができた。第1に,第1次モデルの3期間の年代記分析を,協働前史,協働形成期,協働実現期,協働展開期の4期間の年代期分析に拡張することができた。第2に,第1次モデルにおける協働の成果の指標は「隣接問題への波及」のみであったのに対し,第2次モデルの協働の成果の指標として,「社会的ニーズの効果的な充足」と「社会的価値の創造」の2つを追加することができた。
- 北海道大学の論文
- 2009-03-12
著者
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