情報システム活用による競争優位の実現に向けて : 追加データにもとづく予備的分析
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概要
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本研究は、平本(2003)およびHiramoto(2004)以降に追加収集されたサーベイ・データを用いて、情報システムを活用した競争優位の実現を詳細に考察するための予備的分析を試みたものである。まず、平本(2003)およびHiramoto(2004)において導出された3つの仮説の追検証を行った。その結果、3仮説とも部分的に支持された。次に、情報システム(以下、ISと略記)の有効性と経営成果との相関分析を行った。その結果、ISを導入することにより組織力が強まり、組織力の強化にともなって競争力も強まり、さらにその結果として経営成果が高まるという経路が存在する可能性が示唆された。これら分析結果を踏まえて、高成果群と低成果群のそれぞれにおけるISの有効性の規定因析出を試みたところ、高成果群においてはISの有効性を実現するための一貫したパターンが存在するのに対して、低成果群においては一貫性のあるパターンがほとんど認められない点が明らかになった。これら一連の分析を通じて、情報システムの活用が最終的に競争優位の実現に結びつく一定のロジックが提示された。他方、ISの活用による競争優位の実現のより具体的・実践的なモデルを構築するとともに、ISの活用と競争優位の実現の相互関係をより理論的に明らかにすることが今後の課題として残された。
- 北海道大学の論文
- 2005-09-08
著者
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