情報システム有効性の規定因
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概要
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本研究は,情報システム(IS)の有効性を規定する諸要因に焦点を当て検討を試みたものである。ISの有効性の規定因を検討するために,ISの有効性が高い企業群と低い企業群にサンプルを分割し,それぞれの企業におけるIS特性変数および状況変数を比較する方法が採用された。ISの有効性は,「ISの導入による組織力の強化」と「ISの導入による競争力の強化」との2つのインディケータで構成されている。したがってサンプルは,(1)組織力も競争力も低い群(I群),(2)組織力は高いが競争力は低い群(II群),(3)組織力は低いが競争力は高い群(III群),(4)組織力も競争力も高い群(IV群)に4分割された。これら4つのグループ毎にIS特性変数,状況変数および経営成果変数の平均値を算出して,一元配置分散分析を試み,4群間の平均値の差の検定をおこなった。分析の結果,(1)IT・ISに対するトップの認識が十分であり,(2)ISと事業の仕組みとが適合しており,(3)情報インフラが十分に整備され,(4)ISが組織に過不足なく導入され,(5)ISが日常的に活用される場合に,ISの有効性が高まる可能性が高いことが示唆された。同時に,組織特性に関する諸変数とISの有効性の関係についても,たとえば,明確な戦略志向性を有する組織においては,ISの有効性が高いなど,従来の分析では必ずしも析出されなかった新たな知見が獲得された。
- 北海道大学の論文
- 2005-12-08
著者
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