柿葉茶および秋摘緑茶抽出液の腸管における糖質の加水分解と吸収に及ぼす影響

概要

論文の詳細を見る
[目的]本研究では柿葉および秋摘緑茶葉(以下緑茶)を対象とし,その生理作用について検討した。In vitro実験において,緑茶及び柿葉茶抽出液の糖質加水分解酵素に対する阻害作用と,glucoseの腸管吸収に及ぼす影響について調べた。[方法]熱湯にて緑茶抽出液,柿葉茶抽出液を作成し以下の実験に供した。1)パンクレアチン(amylase)溶液を用いてデンプン分解に対する影響を調べた。2)ラット腸管粗酵素(disaccharidase)溶液を用いてsucrose加水分解に対する影響を調べた。3)腸管反転サック法にてglucose吸収に及ぼす影響を調べた。[結果]amylase阻害実験においては,各茶抽出液添加により還元糖(maltose換算)の遊離量が有意な低下を示した(p<0.05)。また,disaccharidaseによるsucroseの加水分解についても抽出液の添加で有意にglucose遊離量が低下した(P<0.05)。一方でラット腸管反転サックを用いてglucoseの吸収に及ぼす影響を調べた場合においてはglucose吸収自体を抑制する作用は認められなかった。以上の結果から緑茶葉および柿葉抽出液には腸管における糖質の分解を阻害する作用があることが認められた。
岐阜医療科学大学の論文