看護学生の老年期の性認識 : 老年者のオムツ着用の弊害から波及する諸問題
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概要
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看護は,対象の言動や動作に対して先入観を抱くと望ましいケアには発展しない。よって,看護学生は老年者の性についてどのようなイメージを有しているのか,老年看護学概論授業前後でイメージは変化するのかを明らかにすることを研究目的としている。研究方法としてSD法(Semantic Differential method, 以下SD法と略す)によるイメージ測定およびロールレタリングによる記述内容を質的に分析,検証を行った。研究結果として,授業で知識を得ることによって老年者に対する性認識イメージは変化する。また,オムツ着用後の弊害としてオムツ内の蒸れ,発赤,糜爛,カンジダ皮膚炎を合併し,***周辺やオムツ内の痒みを生じる。看護師は,痒みを生じた箇所を「掻く」動作を***行為と誤認する場合がある。「掻く」動作を目の当たりにしたとき,看護師役学生の思考は圧倒的に「なにをしているのだろう」といった情報収集表現が多く,次に配慮的,躊躇的,看護行為,猜疑心,禁止の思考表現であった。老年看護概論で老年期の性および表現形式,性の諸問題について教授すると,先入観は肯定的に変化することが示唆されたことから,老年期の性に対する授業を実施する必要がある。
著者
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安藤 邑恵
岐阜医療科学大学
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安藤 邑恵
岐阜医療科学大学保健科学部看護学科
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松村 三千子
岐阜医療科学大学保健科学部看護学科
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上平 公子
岐阜医療科学大学保健科学部看護学科
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泉川 孝子
岐阜医療科学大学保健科学部看護学科
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