特別支援学校の教育課程と学習指導要領改訂〔特集:特別支援学校における教育実践上の課題〕
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概要
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新自由主義的改革とその一環としての特別支援教育制度の下で、特別支援学校の教育課程、学習指導要領が改訂されることになっている。道徳教育の極端な強調やエリート主義が強化され、基礎基本の知識・技能の習得や集団的規範意識にうまく適応できない子どもがますます通常教育から排除され、特別支援教育がその矛盾の受け皿にされることが懸念される。中央教育審議会による2008年の答申によれば、特別支援学校学習指導要領の新しい内容として、自立活動の中の新区分「人間関係の形成」や知的障害教育における新教科「福祉」が目玉となりそうであるが、審議過程を見る限り、十分な吟味を経て導入されたとは思われない。また、特別支援学校が「複数障害に対応する教育課程を編成する」ということが、一人ひとりのニーズに応え硬直した障害種別の指導を改革するという本来の意味ではなく、単に表面的に別々の教育課程をもつだけで、しかも障害種別の専門性を薄めることにならないか懸念される。教育課程編成にあたっては、「学習上又は生活上の困難の克服」「自立と社会参加」の本来の意味を踏まえ、「障害・発達・生活」の視点に立つ実践を進めていくことが大切にされなければならない。
- 全国障害者問題研究会の論文
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