特別支援学校学習指導要領の改訂と教育実践
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概要
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本稿では,2009年改訂の特別支援学校学習指導要領の内容について検討した.「人間関係の形成」と「福祉」科が新たに設置されたが,内容的に新しいものはあまりなく,各教科,合わせた指導,総合的な学習の時間など従来からの構成上の矛盾も解消されていない.「個別の指導計画」の作成が,全面的に義務づけられた.しかし,要素主義的な子ども・障害理解に基づき,短期的数値目標とPDCAサイクルに縛られ,指導のマニュアル化が懸念される.「自立と社会参加」が,公的支援のない自立と適応と,もっぱら就労を通した社会参加へと矮小化していく危険を伴う.障害者権利条約でいう,全人格的発達と「社会への完全かつ効果的な参加」を保障する指導と支援が求められる.
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