ナチス期障害児教育のイデオロギーと内実 : 初期補助学校改革論の検討を通して
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概要
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本研究は、ナチス初期の補助学校改革論の検討を通して、ナチス期障害児教育のイデオロギーと内実を明らかにしたものである。結論を要約すれば、次の通りである。ナチスの補助学校指導者は、民主主義者など反・非ナチズムを補助学校の敵に仕立てあげることで自らのイニシアチブを獲得していく。しかし、制度や教育内容について様々な改革論があるなかで、指導者が主張し、実際の政策に反映したものは、表向きは従来の治療教育をナチズム的なものに根本的に「改革」しようとするものであったが、その内実は基本的には補助学校連盟などが従来から要求してきたものと変わらないものであった。つまりナチスのイデオロギー自体は、障害児教育の表看板にはなれても、実質的な指導理念にはなれるものではなかったのであり、いわば、非人道的な優生政策や戦争政策によって外側から教育を破壊していったのである。
- 1995-11-30
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