G11 家具を対象とした日本-ヨーロッパ間の評価のズレに関する研究 : クオリティカルテによる評価・診断システム構築に関する研究8(デザイン評価,心「こころ」とデザイン,第55回春季研究発表大会)

概要

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本研究では、ユーザー間の評価のズレを可視化するクオリティカルテ評価・診断システムの構築の一環として、地理的・文化的差異が評価のズレに及ぼす影響を検証することを目的とし、日本及びドイツにおいて家具を対象としたデザイン評価実験を行った。福岡県大川市のブランド「SAJICA」の4製品を対象として選定し作り手・送り手・受け手からなる日本102名・ドイツ84名を評価者とした。評価尺度は、7分類21項目からなるクオリティカルテ評価質問紙を用い、4件法での回答を得点化し分析を行った。両地域の回答傾向としては相関係数で0.5前後と類似したパターンを示したが、分散分析の結果、42の項目において日本に対しヨーロッパでの評価が高く、特に新規性に関わる項目において顕著に高い評価が得られた。また、製品の細部に対する評価規準をヨーロッパ側が持っていることで、審美性においても両地域で評価の差が生じた。こうした記憶や価値観という要因がユーザー評価に影響を与えていることがわかった。
日本デザイン学会の論文
2008-06-20