矮性および半矮性台木を利用したリンゴ'スターキング・デリシャス'樹における純生産率に及ぼす栽植密度の影響(栽培管理・作型)

概要

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無剪定の矮性および半矮性台木利用リンゴ樹(樹齢11〜13年生)を供試し純生産率(NPR:tDW・t^<-1>DW・y^<-1>)に及ぼす栽植密度の影響について検討した.果実NPR(Fd/Ld)と全NPR(ΔPn/Ld)は,各台木樹とも栽植密度(ρ)の増加に伴って減少したが,枝,幹および根のNPR(ΔPb/Ld,ΔPt/LdおよびΔPr/Ld)は増加した.Fd/Ld,Z/Ld(ZはΔPb,ΔPtあるいはΔPrを示す)およびΔPn/Ldに関する密度効果は,それぞれFd/Ld=K_1exp(-k_1ρ),1/(Z/Ld)=A_3+B_3/ρおよびΔPn/Ld=K_2ρ^<-k2>で表された.果実NPR(Fd/Ld)と全NPR(ΔPn/Ld)あるいは果実への分配率(Fd/ΔPn)との関係は,それぞれΔPn/Ld=0.66(Fd/Ld)+2.8とFd/ΔPn=0.2(Fd/Ld)+0.07で表された.また,果実NPRと栄養体の純生産量あるいは栄養体への分配率との間には,それぞれ負の有意な相関が認められた.栄養体のNPR,栄養体の純生産量,栄養体への分配率の三者の間には,正の有意な相関が認められた.全NPR(ΔPn/Ld)と薬量(Ld)の関係は,ΔPn/Ld=5.4exp (-0.08Ld)で表された.果実生産量(Fd)と薬量(Ld)あるいは果実NPR(Fd/Ld)の関係は,それぞれFd=-a_1(Ld)^2+b_1(Ld)+c_1とFd=-a_2(Fd/Ld)^2+b_2(Fd/Ld)+c_2で表された.果実生産量(Fd)と葉量/果実NPR(Ld/(Fd/Ld))のlog〜log関係を見ると,Fdは各台木樹ともLd/(Fd/Ld)の増加に伴って増加しあるLd/(Fd/Ld)(最適Ld/(Fd/Ld))で最大に達することが示された.このlogFd〜logLd/(Fd/Ld)関係は,logFd〜logρ関係およびlogFd〜logΔPn/(Fd/ΔPn)関係と一致し,またρ,Ld/(Fd/Ld),ΔPn/(Fd/ΔPn)の三者の間には,正の有意な相関が認められた.以上の結果から,果実生産量に関する密度効果は,栽植密度の変化→Ld/(Fd/Ld)の変化→ΔPn/(Fd/ΔPn)の変化→果実生産量の変化という一連の因果性をもった現象と考えられる.
2008-07-15

矮性および半矮性台木を利用したリンゴ'スターキング・デリシャス'樹における純生産率に及ぼす栽植密度の影響(栽培管理・作型)

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