休眠および耐凍性と関連したリンゴ花芽生長点細胞の細胞内微細構造変化
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概要
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休眠および耐凍性と関連したリンゴ花芽生長点細胞の細胞内微細構造変化について調査した.10月下旬から12月上旬にかけての自発休眠期を通して, 花芽の耐凍性は外気温の低下に伴って次第に増加した.この耐凍性増大過程において, 細胞構造は液胞の小胞化が進み, 細胞質に満ちた状態となった.細胞質内では, 蛋白質合成に関連する小管状の小胞体(ER), ポリゾーム, 小胞を放出しているジクチオゾームが豊富にみられ, またプロティン・リピドボディーも多く, それらの表面にはリボゾーム様粒子の付着が観察された.プラスチドは核の周りに位置するようになり, 同時にラメラボディーを含んだエチオプラストに代わり, デンプン粒が消失した.自発休眠が完了した12月中旬には小管状ERが小胞状のERに代わり, 耐凍性が最大値に達した1月中旬には液胞の小胞化が完了した.自発休眠完了後, 7-8週間が経過した2月上旬には, エチオプラストからの出芽によるプラスチドイニシアルの形成が観察された.3月下旬から5月上旬までの耐凍性減少過程においては, 液胞容積の増加と細胞質の減少が進む一方で, 蛋白質合成に関連するオルガネラが頻繁に観察された.また, 核とエチオプラストの集合関係がみられなくなり, エチオプラストはプラスチドに代わった.なお, ミトコンドリアは越冬を通して常に観察することができた.
- 園芸学会の論文
- 2001-09-15
著者
-
匂坂 勝之助
北海道大学低温科学研究所
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黒田 治之
農林水産省北海道農業試験場
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匂坂 勝之助
北海道大学
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黒田 治之
農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センター:(現)鹿児島大学農学部
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黒田 治之
農業・生物系特定産業技術研究機構北海道農業研究センター:(現)鹿児島大学農学部附属農場
-
黒田 治之
農林水産省 果樹試験場
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