十字花科飼料根菜の改良 : 第2報 NC雑種第1代の開花と稔性およびCN雑種第1代の生育

概要

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1.本実験は栃木県那須郡那須町湯本開拓地において前年に引続き,1958年に行つたものである。2.第1報で報告した材料であるNC雑種第1代の越冬状況,開花および稔性について調査した。越冬状況は根部の肥大したルタバガ×蕪菁類およびルタバガ×葉菜はよい成績を示した。開花はルタバガ×葉菜およびレープ×蕪菁によるF_1が早く,現在栽培されているルタバガ品種の採種困難の1つの原因である晩花性を考慮するならば,開花の早い系統の後代からは採種上一つの希望を生ぜしめるものと考えられる。稔性は種間雑種第1代に一般的に生ずる不完全配偶子のため低稔性である。しかし開花の早晩によつて多少の差が見られる。戻交雑ではNC雑種第1代を母本とした場合はこれらを父本とした場合よりも稔性が高く,戻交雑の親に下総蕪菁を用いた場合はルタバガを用いた場合よりも稔性が高い。このことは開花の時期と深い関連をもつものと考えられる。3.下総蕪菁×ルタバガによるCN雑種第1代の生育を調査した結果は第1報におけるルタバガ×蕪菁類のNC雑種第1代の生育と同様に根部は肥大し茎葉の繁茂もかなり旺盛であつた。
日本草地学会の論文
1959-09-10