創成ナプスの育種学的研究 : 第II報 創成ナプス後代の変異と選抜について(1)
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概要
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1.本報告は創成ナブス第2世代,第3世代及び第4世代の花粉母細胞分裂期の染色体行動,種子稔性及び次代植物の染色体数だとの世代的推移と変異の発現を観察し,飼料用創成ナプス育成の基礎的な一面を追究した。2.2n=38及びそれに似た異数体植物を選び,花粉母細胞分裂期の染色体行動を観察した結果は,完全自殖後代のC0-1(四月白菜×サクセッション甘藍)は染色体の異常行動は駿著であるが,既存ナブスと交雑した後代は比較的安定していた(第1〜4表及び第8〜9表)。3.自殖種子稔性についていえば,完全自確後代(C0一ユ)では著しく低く,既存ナプス品種(農林16号及び仏12号)と交雑した後代は比較的高かった。既存ナブス品種との交雑稔性は,完全自確後代系統では自殖稔性に比較して高かった(第6表及び11表)。従って創成ナプスと既存ナブス品種を交雑することは,花粉母細胞分裂期の染色体行動を安定させ,創成ナプスの種子稔性を高めるために有効た方法と考える。4.次代植物の染色体数は,花粉母細胞分裂や種子稔性とも関連し,完全自殖後代では異数体植物が多く出現し,既存ナブス品種と交雑した後代は2n=38という安定した型の植物が多く生じた(第7表及び第12表)。異数体植物の出現は,不安定た創成ナブスの配偶子形成と強制的た人工交配によるものと考える。5.創成ナブスの植物体の繁茂はヨ自殖系統よりも,既存ナプス品種と交雑したものがすぐれていた。このことは飼料ナプス育成の方肉を示すものと考える。本実験遂行に当たり,ご指導を賜った宇都官大学,斎藤教授及び森谷助教授に深甚の謝意を表するとともに,終始ご助言を賜った東京教育大学細田教授に感謝したい。
- 1965-12-25
著者
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