赤クロバー「北海道在来種」の生産性その他若干の特性について
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概要
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「北海道在来種」について耐病性(主として銹病),永続性,生産性および稔実性について調査を行つたが,その結果を要約すれば次のとおりである。1)耐病性:本年度における銹病罹病性はわりあい「高く」,Lakeland,Altaswede,Libel,Midland,Montgomery,Rahn等の品種と同程度と認められたが,この形質発現は種々複雑な要因に支配されるので,さらに追試,検討が必要であろう。2)永続性:個体栽培とすれば,越冬2年目に12.0〜62.4%の枯死株を生じ,残存株でも晩秋までにかなりの枯死をみた。したがつて「北海道在来種」は,生存年限の短い個体を相当混在していると認められるばかりでなく,産地によつても永続性にかなりの差異が認められた。3)生産性:播種当初は「北海道在来種」にまさる生産力を示す外国育成品種もあるが,一般に外国品種は3年目以降は枯死株を増大し,急激に収量を減ずる。したがつて播種以後の合計収量では「北海道在来種」が最も多収性を示した。4)稔実性:古い牧草地から得た赤クロバー頭花について稔実率を調査したが根釧,天北地域のごとき寒冷地帯においても受精を認めえ,「北海道在来種」の結実能力をある程度推測しえた。
- 日本草地学会の論文
著者
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金子 幸司
農林省北海道農業試験場
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小島 昌也
茨城県畜産試験場
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村上 馨
農林省北海道農業試験場草地開発部
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赤城 望也
北農試畜産部
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赤城 望也
農林省北海道農業試験場畜産部
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小島 昌也
農林省北海道農業試験場畜産部
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