牧草の再生に関する生理・生態学的研究 : 第2報バヒアグッラスおよびオーチャードグラッスの暗黒下における再生に及ぼす貯藏養分量,温度,光および植物養分の影響

概要

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1.本実験はバヒアグラッスおよびオーチャードグラッスを主として暗黒下において,貯蔵養分量,植物養分および温度の再生に及ぼす影響を見たものである。2.バヒアグラッスでは,再生の数日間は光および植物養分は地上部の再生にはほとんど影響をもたない。それ以後にこれ等の条件が地上部の再生に関与してくる。光は再生に強く影響し,ついで植物養分も本牧草の再生にかなりの影響をもっている。3.バヒアグラッスの暗黒下および露光下における再生実験では,再生後5日目位までは光条件は地上部再生長に影響をもっていないにもかかわらず,地下部(株・根)では初期から光の影響が現われ,暗黒下における場合の地下部の消耗は露光下にくらべて極めて大である。このことは光合成の影響が早くも地下部に現われたことを示唆するものであろう。4.バヒアグラッスは苗の大きなものは小さな苗よりも再生は温度15℃,25℃のいずれの区でも著しく大であった。5.バヒアグラッスは,実験された温度の範囲(15℃,25℃)では,初期の再生長速度は貯蔵養分量の多少よりもむしろ温度に左右され,貯蔵養分量の多少にかかわらず25℃の生長速度が15℃のそれよりも大であった。しかし,再生量は貯蔵養分量の多い区が大であった。6.オーチャードグラッスは,貯蔵養分量が多い場合は,25℃区は15℃区に比し初期再生が旺盛で再生量も大であったが,貯蔵養分量が少ない場合は,25℃区が15℃区よりも再生長速度も再生量も小となった。7.両牧草の再生におよぼす貯蔵養分量および温度の影響を再生長率によって検討したところ,再生長率の刈取後の推移は上述の結果と同様であったが,より明確な傾向を示した。8.両牧草とも貯蔵養分量が多い区が少ない区にくらべ,また温度の高い区が低い区にくらべて地下部の減少が著しかった。
日本草地学会の論文
1965-03-30

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