牧草の再生に関する生理・生態学的研究 : 第1報オーチャードグラッスおよびイタリアン・ライグラッスの再生に及ぼす貯藏養分量および温度の影響

概要

論文の詳細を見る
1.初期再生長におよぼす貯蔵養分量および温度の影響について,オーチャードグラッスおよびイタリアン・ライグラッスを用いて検討した。貯蔵養分量は株・根の乾物量をもって表現した。貯蔵養分量の多少は,材料を一定温度の暗室に置くことによって調節した。また,再生時における温度は,ファイトトロンのガラス室を用い15℃,20℃,30℃に調節した。2.圃場における実験ではオーチャードグラッスにおける再生長量は,貯蔵養分量の多いものほど多かった。また,株・根の乾物重の推移から見ると,減少から増加に転換するに要する日数は貯蔵養分量の多いものほど少なかったが,もとの重量に達する日数では大きな差は認められなかった。3.イタリアン・ライグラッスにおいて,貯蔵養分量が多いほど再生量が多いという傾向は,すべての温度区に見られたが,その傾向は温度が高くなるほど顕著に表われた。また,株・根の乾物重は15℃区では刈取後16日目でほぼ刈取時の重量に回復し,20℃区では回復に向っているがまだもとの重量に達せず,30℃区ではなお減少を続け,回復に至らなかった。4.オーチャードグラッスにおいても,貯蔵養分量が多いほど再生量が多いという傾向は各温度区で見られたが,イタリアン・ライグラッスほど顕著でなかった。株・根の乾物重は15℃区で刈取後30日目にほぼもとの重量に回復したが,20℃区ではやや回復のきざしを見せ,30℃区では貯蔵養分量の多い区は刈取後30日目で回復のきざしを示したが,貯蔵養分の少ない区はなお減少の傾向にあった。5.再生長率におよぼす貯蔵養分量の影響を見ればイタリアン・ライグラッスでは貯蔵養分量の多いほうが再生長率が大であり,その傾向は温度が高くなるにつれて顕著であったが,オーチャードグラッスでは30℃区を除き顕著な差は認められなかった。6.株・根の乾物重増加率におよぼす貯蔵養分量の影響は,イタリアン・ライグラッスでは,15℃区では貯蔵養分量の多いものの増加率が大であったが,他の温度区ではその傾向は明らかでなかった。オーチャードグラッスでは,15℃,20℃区においては刈取後しばらくの間,貯蔵養分量の多い区における増加率は負になる度合が少なかったが,その後この関係は逆転した。30℃区ではその逆の傾向を示した。
日本草地学会の論文
1965-03-30

牧草の再生に関する生理・生態学的研究 : 第1報オーチャードグラッスおよびイタリアン・ライグラッスの再生に及ぼす貯藏養分量および温度の影響

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク

牧草の再生に関する生理・生態学的研究 : 第1報 オーチャードグラッスおよびイタリアン・ライグラッスの再生に及ぼす貯藏養分量および温度の影響

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク

牧草の再生に関する生理・生態学的研究 : 第1報オーチャードグラッスおよびイタリアン・ライグラッスの再生に及ぼす貯藏養分量および温度の影響