界面活性剤添加硫安が麦類におよぼす影響 : 第2報活性剤添加硫安溶液の葉面上における拡展性と活性剤が葉肉細胞におよぼす影響

概要

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(1)活性剤は溶液の表面張力を弱める。麦葉上におかれた活性剤添加硫安液滴は,活性剤無添加硫安液滴に比べ顕著な付着面積の増加をみせ,D・B・S・含有飽和硫安溶液は,H.Alc.S.含有飽和硫安溶液より増加の程度が大きかった。(2)活性剤は麦葉肉細胞中のChloroplastの膜構造を破壊して,このことは活性剤が膜構造中の脂質に作用して,これを剥離溶出するように作用するものと考えられる。細胞の破壊状態は,細胞内にChloroplastの内部構造物の破壊されたものが全体に拡散されるため,全体が淡緑色となり次第にやや褐変化し遂には退色した。(3)両活性剤とも0.01%程度以下の濃度では,細胞に対する障害は,光学顕微鏡下では認められなかった。(4)硫安溶液の拡展性におよぼす影響および麦の葉肉細胞に対する破壊作用は,D.B,S。の方がH.A1c.S.より大であった。(5)活性剤溶液が麦の葉肉細胞を破壊するに要する時間は,溶液濃度が増すに従って短縮されるが,c.m・c.以上においてはほぼ同一時間となった。
日本作物学会の論文
1965-12-05