日本版PICシンボルの適用年齢に関する研究 : 健常幼児による品詞別理解年齢調査からの検討
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概要
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日本版PICのシンボルを、重度な表出障害をもつ人々のコミュニケーション手段として活用するためには、学習者がシンボルの意味を理解できることが必要である。本研究では、日本版PICシンボルの適用年齢の指標を得る目的で、1歳6か月から4歳11か月の健常幼児206名を対象として、品詞別に60個のシンボルの理解年齢調査を実施した。その結果、加齢に伴い、平均正答率は名詞群、動詞群、形容詞副詞群の順で高くなった。健常幼児の正答率が50%水準に到達した年齢を適用可能な発達年齢として想定した場合、名詞群で1:6-1:8、動詞群で2:3-2:5から導入が可能であることが示された。形容詞副詞群はカテゴリーによって差が大きいため、カテゴリーに応じて導入年齢を考慮する必要があることが明らかとなった。感情語は、1:6-2:2の範囲内、反対語は3:0以降に分布し、反対語の絵柄は、難易度が高い傾向にあることが考察された。しかし、シンボルの意味が変更されない範囲のわかりやすい名称を使うことによって、適用年齢を下げることができる可能性が示された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2000-09-30
著者
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