大正期における特別学級(学業成績不良児、精神薄弱児等)の実態 : 文部省調査『全国特殊教育状況』の再調査を中心に
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概要
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大正期における特別学級の実態とその性格を解明するために文部省普通学務局『全国特殊教育状況』(1924年、1927年発行)に記載された「特殊教育」実施校名を手がかりに、現在の学校名と住所を調査した上で該当校に対してアンケート調査を実施した(回収率70.7%)。その結果、60例の特別な取組事例(うち25例が特別学級の事例)を得た。調査結果から次の諸点が判明し、大正期特別学級の全国的実態とそれらの性格の一端を明らかにすることができた。すなわち、1.該当校は学校規模の大きい、伝統のある学校が多い。2.回答事例の特別学級のうち、開設時期の判明した学級のすべてが大正期に開設され、その多くが短期間で消滅している。また学級は多様な呼称を持っている。3.特別学級の対象児童のほとんどが学業成績不良児である。しかし、大正末期には知能検査の普及に伴う変化も生じている。さらに学校沿革誌の史料的価値についても明らかにできた。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1987-09-14
著者
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