重度精神遅滞児・者の発達に関する因子分析的研究
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概要
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重度精神遅滞児・者の発達について、『乳幼児精神発達診断法』と『乳幼児分析的発達検査法』との2つの発達検査の結果に因子分析法を適用して検討した。対象は50名の重度精神遅滞児・者で、彼等を年少者25名(平均暦年齢14歳)と年長者25名(平均暦年齢21歳)とに群分けした。因子分析の結果、I.身辺自立行動因子、II.言語行動因子、III.対人・対物行動因子、の心理学的に有意味な3因子が抽出された。3因子までの累積寄与率は80%を超えていた。また、3因子に対応する因子スコア推定値の結果から、身辺自立行動は年長者が年少者にくらべて発達しているが、言語行動および対人・対物行動については年少者の方が年長者よりもやや発達している、ということが示唆された。以上より、重度精神遅滞児・者の発達を多次元的に分析検討することの有効性が明らかとなった。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1982-09-30
著者
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生川 善雄
School of Health Sciences, Tokai University
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生川 善雄
国立秩父学園
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生川 善雄
School Of Health Sciences Tokai University
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