対象の関係性により記憶可能な対象の個数が変化する短期記憶の神経回路モデル
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概要
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ヒトが短期記憶に保持できる情報の容量は7チャンク程度といわれているが、記憶対象が関係性を持つとき、短期記憶に記憶できる対象の個数が変化することが心理実験により示唆されている。Lisman and Idiart(1995)のモデルではこの容量を定量的に示すことができるが、対象間の関係性による記憶可能な対象の個数の変化を説明できない。本研究では生理実験の結果から、細胞集合の同時発火パターンによって一つの対象を表現するように変更を加えた。さらに、同一の対象を表す細胞間に興奮性結合を設定することで同時発火を促し、その強度はSTDP学習則により獲得されるものとした。また、対象間の関係性は、発火パターン間に共通して発火する細胞がある場合と、発火パターンを構成する細胞の間に興奮性結合がある場合の2種類の形式で表現した。このモデルについて、シミュレーションを行った結果、どちらの表現形式でも記憶可能な対象の個数の変化が見られ、その数は心理実験とほぼ一致していた。
- 2008-03-05
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