STDPを用いたエピソード記憶から意味記憶を形成する神経回路モデル(バイオサイバネティックス, ニューロコンピューティング)
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概要
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思考・運動・認知など, ヒトの高次機能には記憶が重要な役割を果たしている. それら記憶のうち, 意識することのできる意味記憶とエピソード記憶を取り上げる. 意味記憶は, いくつものエピソード記憶から共通部分が抜き出されてできると考えられている. これまでの研究・実験で, 脳のどの部位が記憶に関連しているか明らかにされているが, その神経回路がどのようになっているか, 特に時間的に精緻なシナプス可塑性であるSTDPとの関係において, 明らかにされていない. そこで, 脳の神経回路に基づいた, STDPを用いたエピソード記憶から意味記憶を形成するモデルを提案する. モデルに入力するパターン・内部の結線を変えてシミュレーションを行い, 意味記憶を形成できるパラメータを調べた. その結果, 意味記憶の形成には形成する領域への3経路からの結合及び回帰結合と, 適切な伝達遅延が必要であることが示唆された. 更に, 形成された意味記憶に一部共通部分をもつ別の意味記憶を形成させた結果, 提案モデルで意味ネットワークを形成されることが示唆された.
- 2005-10-01
著者
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