ウシラクトフェリンがネコ免疫不全ウイルス感染症の慢性期の活性化した末梢血単核球機能に及ぼす影響(内科学)
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概要
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ネコ免疫不全ウイルス(FIV)感染症では慢性的で過剰な免疫・炎症系の活性化がみられ,免疫細胞のアネルギー状態や機能不全を引き起こす.ラクトフェリン(LF)は,外分泌液や好中球の二次顆粒中に存在し,宿主防御に重要な役割を果たしている.我々は以前,難治性口内炎等の慢性炎症を有するFIV感染ネコへのウシLF(bLF)経口投与が,口腔内炎症を抑え臨床症状を改善すると共に炎症マーカーの血清γグログリンを減少させることを見出し,その抗炎症作用には好中球機能の調節が一部関与することを報告した.そこで,bLFの抗炎症作用と単核球機能との関係を確かめるため,bLFがFIV感染ネコの活性化末梢血単核球の細胞増殖,細胞周期およびサイトカイン発現に及ぼす影響を調べた.bLFは,無症状キャリア期およびエイズ関連症候群(ARC)期FIV陽性ネコの末梢血単核球におけるコンカナバリンA(ConA)誘導細胞増殖を抑制した(p < 0.05). bLFは,ConA誘導アポトーシス細胞を減少させ,加えてARC群におけるConA誘導インターフェロン-γおよびインターロイキン-2の発現を添加時間によらず定常状態まで抑制することが明らかとなった.したがって,bLFは誘導された細胞増殖,細胞周期やサイトカイン発現を調節することによってFIV感染症末期のネコの過剰に活性化した末梢血単核球を保護し機能を改善する可能性があると考えられた.
- 2008-05-25
著者
-
山田 裕一
岩手大学農学部獣医学課程
-
小林 沙織
岩手大学農学部獣医学課程
-
佐藤 れえ子
岩手大学農学部獣医学課程小動物内科学研究室
-
HANKANGA Careen
岩手大学農学部獣医学課程小動物内科学研究室
-
稲波 修
北海道大学大学院獣医学研究科環境獣医学講座放射線学教室
-
冨澤 伸行
岩手大学農学部獣医学課程小動物内科学研究室
-
安田 準
岩手大学農学部獣医学課程小動物内科学研究室
-
佐藤 れえ子
岩手大学 農学部
-
佐藤 れえ子
Nosai宮城県南家畜診療センター
-
佐藤 れえ子
岩手大学農学部家畜内科学教室
-
安田 準
岩手大学農学部獣医学課程
-
安田 準
北海道大学獣医学部附属動物病院
-
安田 準
北海道大学獣医学部附属家畜病院
-
重茂 克彦
岩手大学農学部食品安全学教室
-
冨澤 伸行
岩手大学農学部獣医学課程
-
佐藤 れえ子
岩手大学
-
重茂 克彦
岩手大学農学部獣医学課程
-
重茂 克彦
岩手大学農学部獣医学科 応用獣医学講座
-
佐藤 れえ子
岩手大学農学部獣医学学科臨床獣医学講座獣医内科研究室
-
青木 孝子
岩手大学農学部獣医学課程
-
佐々木 重荘
岩手大学農学部獣医学課程
-
Yasuda Jiro
Laboratory Animal Research Center Institute Of Medical Science The University Of Tokyo
-
佐藤 れえ子
岩手大学農学部
-
稲波 修
北海道大学環境獣医科学講座放射線学教室
-
稲波 修
北海道大学大学院獣医学研究科放射線学教室
-
Inanami Osamu
Department Of Environmental Veterinary Science Graduate School Of Veterinary Medicine Hokkaido Unive
-
佐藤 れえ子
岐阜大学大学院連合獣医学研究科:岩手大学農学部獣医学
-
佐々木 重荘
岩手大学農学部
-
佐々木 重荘
岩手大
-
Hankanga Careen
岩手大学農学部獣医学課程
-
冨澤 伸行
岩手大学農学部家畜外科学教室
-
小林 沙織
岩手大学農学部
-
安田 準
岩手大学農学部
-
佐藤 れえ子
岩手大学農学部獣医学課程
-
佐藤 れえ子
岩手大学農学部獣医学課程小動物内科学教室
-
冨澤 伸行
岩手大学農学部
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