地理的障害に対する道順訓練の有効性
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概要
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研究目的 地理的障害を呈した対象者に対して、訓練目標と現在の能力についての情報を明確にフィードバックするよう配慮した道順訓練を実施し、その有効性を明らかにすることを目的とした。研究計画 ABAB法を用いた。場面 大学病院のリハビリテーション施設にて実施した。対象 くも膜下出血を発症した64歳女性を対象とした。介入 Phase Aでは地図を参照しながら決められたコースを歩くよう数示し、正しい方向に曲がる度に賞賛を提示した。Phase Bでは訓練目標と現在の能力についての情報を明確にフィードバックするよう配慮した道順訓練を実施した。すなわち、訓練前に獲得目標チップ数を提示し、訓練中に正しい方向に曲がる度に1枚ずつチップを付与すると同時に賞賛した。誤った方向に曲がった際には1枚ずつチップを回収した。獲得目標チップ数よりも多くのチップを獲得した場合には、訓練後に再び賞賛した。行動の指標 地図に記されているコース以外の方向に曲がった回数を行動の指標とした。結果 介入期において道順ミスの回数は滅少した。介入を撤回した場合も、介入期の効果は維持された。再介入期では、6セッション中4セッションで道順ミスの回数がゼロになった。結論 訓練目標と現在の能力についての情報を明確にフィードバックするよう配慮した道順訓練は対象者の地理的障害に対して有効であったと考えられた。
- 日本行動分析学会の論文
- 2008-03-30
著者
-
山本 淳一
慶應義塾大学
-
卯津羅 雅彦
聖マリアンナ医科大学救急医学
-
鈴木 誠
川崎市立多摩病院リハビリテーション科
-
大森 みかよ
聖マリアンナ医科大学病院
-
卯津羅 雅彦
聖マリアンナ医科大学 脳神経外科
-
卯津羅 雅彦
聖マリアンナ医科大学病院
-
杉村 裕子
川崎市立多摩病院
-
鈴木 誠
川崎市立多摩病院
-
卯津羅 雅彦
聖マリアンナ医大 脳神経外科
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