温室におけるマルハナバチ逃亡防止のためのネット展張技術
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
温室施設開口部(窓,出入り口)にセイヨウマルハナバチ逃亡防止用ネットをいくつかの方法で展張し,その効果の検証を行うとともに,不十分な場合はその対策を提示した.ガラス温室とシクスライト温室の窓の場合には,どの方法でも,ネット展張および窓周辺にできる隙間をスポンジ,テープ,充填材で塞ぐことによって,完全に逃亡防止ができた.パイプビニルハウスの窓にネット展張する場合は,パイプの上にネット,ビニルの順で張り,ネットをパイプの外側に留めることによって逃亡防止ができた.しかし,ネットをパイプの内側に張り,内側で留めた時は逃亡防止ができなかった.出入り口については,ネットの重ね合わせ方式で展張した時は,前室を付けても防止効果は完全ではなかった.一方,出入り口をチャックのついたネットで展張した場合,完全に逃亡を防ぐことができた.また,換気扇からの逃亡が,作動,非作動時に拘らず起こったため、換気扇にもネット展張が必要であった.一方,吸気口からの逃亡はなかった.これらのことから,施設開口部にネット展張を行うことによりマルハナバチの逃亡防止が可能であることが分かったが,そのためには,きめ細かい点検が必要であることが示された.
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 2008-02-25
著者
-
小出 哲哉
愛知県農業総合試験場園芸研究部
-
山田 佳廣
三重大学大学院生物資源学研究科
-
山下 文秋
愛知県農業総合試験場園芸研究部
-
矢部 和則
愛知県農業総合試験場
-
山田 桂廣
三重大学大学院生物資源学研究科
-
山下 文秋
愛知県農総試 弥富農技セ
-
山下 文秋
愛知農総試
-
山下 文秋
愛知県農業総合試験場
関連論文
- 菜園の害虫と被害写真集, 池田二三高, (2006), 自費出版, 268頁, 8,400円(税込)
- S095 マルハナバチ女王誘引巣箱の開発(特定外生物セイヨウオオマルハナバチ〜指定の科学的根拠と今後の課題)
- 段ボール誘引巣箱によるコマルハナバチ創設女王の採集方法
- 窒素の施用時期及び形態がキャベツの硝酸イオン濃度に及ぼす影響
- 微量要素の葉面散布がキャベツ, ハクサイの硝酸還元酵素活性と硝酸塩濃度に及ぼす影響 : (第2報)微量要素の葉面散布時期がキャベツの硝酸還元酵素活性と硝酸塩濃度に及ぼす影響
- 高温および低温条件下における単為結果性トマト'ルネッサンス'の着果および果実肥大特性(栽培管理・作型)
- 単為結果性トマトの着果に及ぼす高温及び弱光処理の影響
- セグロアシナガバチの巣に寄生するウスムラサキシマメイガの生活環
- セグロアシナガバチの巣に寄生するウスムラサキシマメイガの交尾・産卵と幼虫の餌利用
- 昆虫学研究室訪問(17)三重大学生物資源学部昆虫生態学研究室