服薬心理教育に参加した精神分裂病患者の病いと服薬への構えに関する考察(第7回聖路加看護学会学術大会)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は、服薬心理教育を通して、精神分裂病患者の病いおよび服薬への構えの変化を分析し、その意味について考察することである。対象は、精神科急性期病棟入院中の精神分裂病患者29名であり、全4回の服薬心理教育グループ参加前後に半構成的面接を行った。面接では著者ら作成の服薬質問紙とDavid, ASの病識尺度を用いた。そして、病識尺度の3側面から病識と服薬に対する認識の特徴を類型化し、参加前後の面接とグループ・プロセスの記録内容を質的に分析した。その結果、病気であることも服薬の必要性も認めていない患者は、納得いかない入院体験、病いであると認めることへの葛藤を抱えていた。また、病気であることは認めないが服薬の必要性を認めている患者は、服薬を拠りどころ的なものと意味付けたり、患者役割の受容が服薬への認識に関わっていると考えられた。今後、患者がどのような病いや服薬への構えをとっているのかを理解した上で、患者自らの回復への意思を引き出していくための看護援助を考えていくことが課題となった。
- 聖路加看護大学の論文
- 2002-06-30
著者
関連論文
- 造血器腫瘍患者を対象とする心理教育の集団過程で生じた現象
- 健康転換各相に対応した看護活動モデルの検討と開発
- とのはざ間で生きる人々 : 山谷でのフィールドワークから(第7回聖路加看護学会学術大会)
- 服薬心理教育に参加した精神分裂病患者の病いと服薬への構えに関する考察(第7回聖路加看護学会学術大会)
- 精神看護学領域の学会に関する海外の動向
- 精神看護学実習についての看護学生の意識に関する研究
- 精神科急性期病棟における服薬および治療への構えに関する患者心理教育の効果
- フィンランドの看護教育
- 患者・看護婦が認識するケアリング行動の比較分析 : 第2報
- 患者・看護婦が認識するケアリング行動の比較分析
- インターネットという中間領域に生きる若き過食女性たち : 現実世界では言葉にできない思いを抱えて(第7回聖路加看護学会学術大会)
- 看護職の政治活動--ANAと草の根陳情活動(グラスルート・ロビイング) (特集 看護職の政治的戦略)
- QOLの看護学的考察
- 看護理論と看護診断 : 基礎教育への導入に際して考えること
- 看護理論と看護診断 : 基礎教育への導入に際して考えること
- 社会適応度査定のための総合評価尺度(GAS)の信頼性および妥当性の検討
- 同種骨髄移植を受けた女性の体験世界に関する記述的研究
- 長期入院精神分裂病患者の生活行動の特徴 : 患者の言動に焦点をあてた質的研究
- 公的介護保険VS看護-1-看護の立場から考える公的介護保険制度